3番目に発見された恒星間彗星3I/ATLASが太陽系を通過するにあたり、NASAとESAが火星軌道上で運用する複数の探査機(Mars Express, ExoMars TGOなど)が、10月初旬に遠隔観測を行います。彗星から放出されるガスや塵の組成を分析し、太陽系外の天体の起源解明を目指します。
株式会社ispaceは、2028年のMission4で打ち上げ予定の月着陸船シリーズ3(熱構造モデル)について、JAXA筑波宇宙センターでの振動・音響・熱真空といった一連の環境試験を完了したと発表しました。この試験で得られたデータは、機体の基本構造や熱設計の妥当性を検証し、今後の詳細設計や認定試験に反映されます。
中国の宇宙ステーションに滞在中の神舟二十号のクルーが4回目の船外活動を完了し、実験棟「問天」のデブリ保護装置の設置作業を成功させました。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、M87銀河中心の超大質量ブラックホールから噴出するジェットを赤外線で史上最も鮮明に撮像しました。数千光年にわたるジェットの結び目やらせん構造に加え、これまで観測が難しかった反対側の対向ジェットも捉えることに成功しました。
中国の小惑星探査機「天問2号」が、展開式アームに搭載された監視カメラを使って地球と機体を一緒に撮影した「自撮り」画像を公開しました。探査機は正常に稼働しており、機器の展開テストなどを完了しています。2026年7月頃に目標の準衛星カモオアレワに到着し、サンプルを採取した後、2027年末に地球へ帰還する予定です。
ドイツ航空宇宙センター(DLR)は、再利用型ロケット技術を実証する「ATHEAt」の初飛行をノルウェーのAndøya宇宙センターで準備中です。この観測ロケットによる試験では、再突入時の空力特性や耐熱材料などを検証します。
欧州宇宙機関(ESA)は、タレス・アレーニア・スペース社と5000万ユーロの契約を結び、衛星による量子鍵配送(QKD)を実証する「SAGA」ミッションの予備設計を開始しました。これは欧州独自の安全な通信網「EuroQCI」構想の一環で、デジタル主権とインフラの耐性強化を目指します。
土星探査機カッシーニの過去のデータを再解析した結果、衛星エンケラドゥスの噴出物から、これまで未報告だった脂肪族や環状エステルなど複雑な有機分子が多数検出されました。これは内部海に生命が存在しうる環境がある可能性をさらに高める発見となります。
2025年10月から2026年1月にかけて、4ヶ月連続でスーパームーンが観測できます。10月6日の「ハーベストムーン」を皮切りに、月が地球の近地点付近で満月となるため、通常より最大約8%大きく、15%明るく見える現象が続きます。
SpaceXは2025年10月3日、Falcon 9ロケットを使用し、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地からStarlink衛星28基(ミッション名: Starlink 11-39)を低軌道へ打ち上げることに成功しました。打ち上げられた第1段ブースターB1097は2回目の飛行で、太平洋上の無人船「Of Course I Still Love You」への着陸に成功しました。この打ち上げは、ケープカナベラルを挟まずに西海岸から3回連続で行われた初の事例となります。
月着陸船を開発する米Intuitive Machinesは、深宇宙航法やミッション設計を専門とするKinetX社を3000万ドルで買収したと発表しました。この買収により、月周辺や深宇宙でのデータ中継・航法サービスの強化を図ります。
ESAの海面高度観測衛星「Copernicus Sentinel-6B」が米カリフォルニア州の施設に到着し、打ち上げに向けた最終準備が開始されました。衛星は11月にSpaceXのFalcon 9で打ち上げられ、長期的な海面変動の監視任務を引き継ぎます。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の観測により、初期宇宙にある4つの天体が、暗黒物質(ダークマター)の自己消滅で輝く理論上の天体「超大質量ダークスター」の候補である可能性が報告されました。これが確認されれば、初期宇宙の超大質量ブラックホールがどのように形成されたかという謎を解く鍵となる可能性があります。
英国宇宙軍司令部長ポール・テッドマン少将が、ロシアが英国の軍事衛星に対して週単位でジャミング(電波妨害)や監視活動を行っていると明らかにしました。宇宙空間での脅威が増大していることを示すもので、英国は対抗措置を講じているとしています。
Voyager SpaceとAirbusの合弁事業であるStarlab Spaceは、国際宇宙会議(IAC)で商業宇宙ステーション「Starlab」の実物大モックアップを公開しました。直径7.8mの大型モジュールで、2029年にSpaceXのスターシップでの一括打ち上げを予定しています。
米アクシオム・スペースと日本の化学メーカー、レゾナックは、宇宙空間での高機能半導体材料の研究・製造に関するMOU(覚書)を締結しました。微小重力環境を利用して高品質な単結晶などを製造し、地上での半導体性能向上を目指します。
中国は太原衛星発射センターから長征6号ロケットを打ち上げ、11基の低軌道インターネット衛星を予定軌道に投入することに成功しました。
NASAの火星探査ローバーPerseveranceが、ジェゼロ・クレーター内で有機炭素や、生命活動に関連する可能性のある鉱物(ビビアナイト、グレイガイト等)を豊富に含む岩石「Cheyava Falls」を発見しました。この岩石サンプルは将来のミッションで地球に持ち帰り、詳細な分析が行われる予定です。
中国は、長征2号D型ロケットの100回目となる記念すべき打ち上げを成功させました。このミッションでは、地球観測衛星である30-01号と30-02号が搭載され、予定通りの軌道に投入されました。
2022年にNASAの探査機DARTが衝突した小惑星ディモルフォスについて、衝突直後に公転周期が約30分短縮された後、数ヶ月かけてさらに約30秒短縮していたことが観測されました。この追加的な変化がなぜ起きたのか、その原因は未だ解明されていません。
国際宇宙ステーション(ISS)での約146日間の第72/73次長期滞在を終えたJAXAの大西卓哉宇宙飛行士が、ミッション後のリハビリを終え、2025年10月3日にJAXA東京事務所で帰国後記者会見を行います。
Blue Originは、次回のNew Glennロケットの打ち上げで第1段ブースターの回収を目指しています。成功すれば、同じブースターをその次の打ち上げ(NASAの火星探査機2基搭載)で再利用する計画で、打ち上げ頻度の向上とコスト削減の鍵となります。
スマートフォンと衛星の直接通信サービスを目指す米AST SpaceMobileは、同社最大の衛星「BlueBird 6」の最終組立を終え、インドのスリハリコタ宇宙センターでの打ち上げに向けて輸送を開始しました。打ち上げはインド宇宙研究機関(ISRO)のLVM3ロケットで12月頃に行われる見込みです。
NASAは新たな宇宙飛行士候補生「グループ24」として10名(うち女性6名)を発表しました。女性が初めて多数派となりました。候補生は2年間の訓練を経て飛行資格を得て、ISS退役後の商業宇宙ステーションやアルテミス計画での飛行機会を目指すことになります。
米宇宙軍は、静止軌道上の衛星を監視するGSSAPの後継機「RG-XX」について、商用衛星の設計をベースとし、軌道上での燃料補給が可能な仕様で調達する計画です。衛星は非機密扱いとし、同盟国への有償軍事援助(FMS)にも対応する方針で、複数のベンダーを採用することを検討しています。
米連邦政府の資金停止(政府閉鎖)により、NASAジョンソン宇宙センターなどで多くの職員が休職や給与未払いの影響に直面しています。国際宇宙ステーション(ISS)の運用やArtemis計画関連など、ミッションクリティカルと見なされる業務に従事する職員は、無給での勤務継続を指示されています。
オーストラリアのシドニーで国際宇宙会議(IAC2025)が開催されました。NASA代行長官が米国の宇宙優位性を強調する一方、多くの国は協力先の多角化を模索しています。JAXAはブースを出展し、はやぶさ2が持ち帰った小惑星リュウグウの試料などを展示し、多くの来場者を集めました。
2025年10月1日、直径約2メートルの小惑星2025 TFが、地球の表面から約300kmという、国際宇宙ステーションの軌道よりも内側の極めて近い距離を通過しました。
神舟20号ミッションの船長である陳東氏が、宇宙滞在日数を376日とし、中国の宇宙飛行士としての最長記録を更新しました。
荏原製作所は、開発中のロケット用電動ターボポンプについて、実燃料である液体酸素(LOX)と液化天然ガス(LNG)を用いた運転試験に成功したと発表しました。2028年の実用化を目指し、構造がシンプルで出力制御が容易な電動式の開発を進めています。